合同会社の解散
このページでは、合同会社の解散について詳しく解説します。
合同会社の解散事由
合同会社は、次の事由が発生することによって解散します。
- 定款で定めていた存続期間の満了
- 定款で定めていた解散事由の発生
- 総社員の同意
- 社員の欠乏
- 合併(消滅会社になる場合)
- 破産手続き開始の決定
- 解散を命じる裁判
※合同会社も、社員(出資者)の自主的な決定により解散することができますが、株式会社が多数決(株主総会の特別決議)で足りるところ、合同会社では総社員の同意が必要となります。
※合同会社は、社員が退社等により、1人もいなくなれば、当然に解散します。
合同会社の解散の効果
4.合併・5.破産により解散した場合を除き、会社は清算手続きに入ります。
4.合併で解散した場合には、消滅会社の権利義務は、すべて存続会社(新設会社)に承継されるため、清算手続きの必要がありません。
5.破産により解散した場合は、通常の清算手続きではなく、破産手続きにより清算されます。
合同会社の清算
清算手続きとは、会社消滅に向け、会社のすべての権利義務関係を清算する手続きを言います。
合同会社では、同じ持分会社である合名会社や合資会社で認められているような任意清算(定款または総社員の同意により、会社財産の処分方法を決める方法)によることができず、法定清算といわれる法定の手続きに従ってすすめる清算手続きのみが認められています。
これは、合名会社等の社員が、解散登記後においても会社債権者に対し責任を負うのに対し、合同会社の社員の責任は株式会社と同様、間接有限責任(会社債権者に対し直接責任を負わない)であることによります。
清算合同会社の清算人
清算中の合同会社には清算人を置かなければなりません。
清算人は、清算事務を執行し、清算合同会社を代表する機関です。事業活動中の会社の「業務執行社員」に代わる機関と言えます。
なお、清算人が2人以上ある場合でも、各自が清算合同会社を代表するのが原則ですが、特に会社を代表する清算人を定めることもできます。
具体的な清算人の職務は以下のとおりです。
- 現務の結了
- 債権の取り立て・債務の弁済
- 残余財産の分配
※1.現務の結了とは、解散時において未了の状態にある業務を完結することをいいます。
清算合同会社の計算
清算人は、就任後遅滞なく、清算合同会社の財産状況を調査し、財産目録と貸借対照表を作成しなければならず、清算結了登記が終わるまで保存しなければなりません。
清算活動と清算事務の終了
債権申出の公告(官報公告)
清算合同会社は、解散した後、遅滞なく、会社債権者に対して、2ヶ月以上の一定期間内に、その債権を申し出るよう官報により公告し、かつ、会社が認識している債権者に対しては、個別にその旨を催告しなければなりません。
なお、清算株式会社は、この債権申出期間中は、たとえ弁済期の到来した債権であっても、弁済することが禁止されています。
残余財産の分配
残余財産の分配について、定款に分配割合の定めがある場合には、その定めに従い分配し、特に定款に定めがない場合には、各社員の出資割合に応じて分配割合を定めなければなりません。
清算事務の終了
清算株式会社は、清算事務がすべて終了したときは、遅滞なく清算にかかる計算をし、社員の承認を受けなければなりません。
この社員の承認により、会社は法的に消滅します。
なお、社員が1ヶ月以内に計算についての異議を述べなかったときは、承認したとみなされます。