会社解散により作成する財務書類-基礎知識
社解散時に作成する計算書類である財産目録と、貸借対照表について、詳しく見ていきます。
財産目録
財産目録とは、資産と負債の明細のことを言います。
財産目録に計上すべき財産は、原則として清算価格(処分価格・時価)を付さなければならないとされていますが、清算価格が不明な資産については、取得価格等で計上することも認められています。
以下では、主要な科目について清算価格を計算するうえでの留意事項を確認していきます。
・預金
解散日までの経過利息を未収入金に計上します。
・金銭債権
個別債権残高から貸倒見込額と取立費用を引いた価格とします。
また、貸付金については、解散日までの経過利息を未収入金に計上します。
・棚卸資産
売却可能価格から売却費用を引いた価格とします。
・有価証券
市場があるものは、時価から売却費用を引いた額とします。
市場がないものについては、処分可能価格から処分費用を引いた価格とします。
・前払い費用
契約解除により現金回収が見込まれる部分を未収入金に計上します。
・仮払金
現金回収が見込まれる部分を未収入金に計上し、その他は0(ゼロ)評価とします。
・土地(借地権)
時価から処分費用を引いた額とします。また、建物を取り壊して土地を売却する場合には取り壊し費用をさらに控除します。
・その他有形固定資産
処分可能価格から処分費用を引いた価格とします。
・無形固定資産
原則として0(ゼロ)評価とします。
ただし、処分可能なものがあれば、処分可能価格から処分費用を引いた価格とします。
・繰延資産
会社法上の繰り延べ資産については0(ゼロ)評価とします。
税務上の繰り延べ資産については、契約解除により現金回収が見込まれる部分を未収入金に計上します。