会社解散により作成する財務書類-基礎知識
財産目録 ②
財産目録とは、資産と負債の明細のことを言います。
前回は、資産の部について、主要な科目を見てきました。
以下では、負債の部の主要な科目について、清算価格を計算するうえでの留意事項を確認していきます。
未払い金
コピー機などのリース契約解除による違約金を、一括未払い金に計上します。
なお契約解除により取得する固定資産については、資産の部の、その他有形固定資産と同様の評価とします。
また、清算結了までの事後的費用を見積もり、未払い金に計上しましょう。
借入金
解散日までの経過利息を未払い金に計上します。
退職給付引当金
解散日現在までの会社都合による要支給額を未払い金に計上します。
法人税・復興特別法人税・住民税・事業税(地方法人税を含みます。)
直近の事業年度開始日から解散日までの期間にかかる所得金額に対する確定税額を、未払い金に計上します。
また、解散日後、残余財産確定日までの事業年度にかかる税額を見積もって、概算計上します。
偶発債務
割引手形が不渡りになった場合、割引手形残額については、資産の部に受取手形、負債の部に割引手形と両建表示にします。
保証債務については、その履行が果実に見込まれるものについては、履行額を未払計上します。
財産目録の記載例
財産目録は、①資産の部 ②負債の部 ③正味資産の部 に区分しなければなりません。
また、①資産の部 と②負債の部は、その内容を示す適当な名称を付した項目に細分することができます。
清算財産目録
○○株式会社
平成26年10月1日(解散日)現在
資産の部
科 目 | 摘 要 | 金 額 |
現金及び預金 |
手元現金 ○○株式会社 1500株 |
|
資産合計 |
負債の部
科 目 | 摘 要 | 金 額 |
短期借入金 その他流動負債 |
○○銀行○○支店
|
|
負債合計 |
正味資産の部
差引正味資産 |
|