解散・清算の税務手続きー基礎知識
前回は、清算会社の税務手続きの流れについて見てきました。
今回は、もう少し詳しく税務手続きの内容について見ていきましょう。
会社解散届
会社が解散した場合、遅滞なく解散した旨を税務官庁に届け出なければならないとされています。
なお、この届出は、法人税(税務署)と地方税(都税事務所)のそれぞれについて行わなければなりません。(ただし、届出書の様式は、いずれもほぼ同じ内容です。)また、この届出書には、解散登記後の会社謄本(登記事項証明書)を添付しなければなりません。
確定申告・その1(解散事業年度の確定申告)
会社解散後の最初の税務申告は。この解散事業年度の確定申告になります。
解散前の事業年度開始の日から解散日までをひとつの事業年度とみなし、当該期間の確定申告を、解散の日の翌日から2カ月以内にしなければなりません。
なお、この確定申告書の提出期限には、「1カ月延長の特例」が認められています。
確定申告・その2(清算事業年度の確定申告)
清算会社は、清算期間中の各事業年度については、事業年度終了の日(通常の事業年度でいう決算期)の翌日から2カ月以内に確定申告しなければなりません。
ただし、残余財産化確定した日の属する事業年度については、以下の残余財産確定事業年度の確定申告の対象となります。
これにも「1カ月延長の特例」が認められています。
確定申告・その3(残余財産確定事業年度の確定申告)
残余財産が確定した時は、その日の属する事業年度開始の日から確定日までの確定申告を、確定日の翌日から1カ月以内にしなければなりません。
なお、この確定申告には、「1カ月延長の特例」が認められていません。
清算結了届
清算会社は、清算結了の登記が完了した時には、遅滞なくそのことをを税務官庁に届け出なければならないとされています。
なお、この届出書には、清算結了登記後の閉鎖謄本(登記事項証明書)を添付しなければなりません。
この届出により、清算会社の税務手続きは完了します。