会社を解散したほうが良いのはどんな時?
事業の継続が困難な場合や収益悪化が確実な場合は会社を解散するメリットがある。
会社というものは一度設立したら事業を継続しながら存続していく事になりますが、場合によっては解散したほうが良いときもあります。
例えば、現在は業績が好調だが将来的に業績の落ち込み予想され赤字転落が確実で立て直す見込みがないときなどは会社を解散するメリットが生まれます。斜陽産業で今後市場そのものが縮小していく場合が確定しているケースなどが当てはまりますが、このようなケースではどんなに頑張ったとしても業績の回復は望めませんから、損失が出ないうちに早めに手続きをしてしまったほうが良いでしょう。ズルズルと事業を継続しても資産を食いつぶしていくだけなのであれば、残余財産があるうちに手続きを進めて株主全員で分配してしまったほうが得られる利益も大きなものになります。
会社の存続そのものが難しい場合なども解散するメリットが生まれます。小さな家族経営の町工場や商店などの場合、後継ぎとなる人物がいなければ法人を存続させることが実質上不可能です。中小企業の中でも特に小規模な企業の場合は跡継ぎ問題を理由に事業の存続を断念して清算するケースが少なくありません。
いずれのケースにせよタイミングを逃してしまうと手続きを進めることが困難になりますから、株主全員の同意が得られるうちに法人格を消滅させる手続きを進めることが前提になります。
設備や人材が失われた場合は会社を解散したほうが良い
会社の解散とは、法人格を消滅させる重要な手続きです。一般的には事業の継続を目指すのが企業のあり方ですが、時と場合によっては早めに法人格消滅の手続きを取ったほうが良いケースもあります。
事業で利益が出ていても、新たに多額の設備投資などが必要な場合は事業を終わらせてしまったほうがメリットは大きくなります。例えば創業から数十年たっているボーリング場で今現在お客さんがそこそこ入っていて赤字にならない程度の売り上げが毎月コンスタントに出ている場合、機会が問題なく稼働しているうちは経営を続けることができますが老朽化した機械を新しいものに入れ替える多額のコスト負担を負うだけの経営体力はありません。このようなケースでは無理に資金を投入して機械の入れ替えを実行しても見返りは期待できませんから、機会が耐用年数を迎える段階で会社を解散し、事業を打ち切ってしまったほうがメリットが大きなものになります。
特殊な技術やスキルを持った人材を失ったようなケースも同様です。ある特定の人物の技術やスキルを前提に事業が行われている企業の場合、その人物がいなくなってしまったら事業の継続が困難になってしまいます。具体的な例を挙げると、タレントやアーティストなどの個人事務所や漫画家の個人スタジオなどがこのケースに該当します。
特定の人材がいなくなって事業の存続が不可能になってしまった場合、これ以上会社を存続させても何のメリットもありませんから解散して資産を分配したほうが株主にとってメリットが大きくなります。